サーバーとは
サーバー(server)とはコンピュータに専用のソフトウェアを導入し、「ホームページの閲覧」「メールの送受信」「ゲーム」など様々なサービスを提供できるようにしたもので、コンピュータそのものは我々が普段使用しているものと変わりありません。
つまり、サーバーとは「サービスを提供する側のコンピュータ」を指します。
今見ているこのホームページもサーバーから情報を送信されることで見れています。つまり、インターネットを介して情報のやりとりを行う専用コンピュータなのです。
サーバーからデータを提供する側を「サーバー」、データを受信する側を「クライアント」と呼んでいます。
サーバーの機能
サーバーには様々な機能がありますが、一般的なものを紹介いたします。
・ホームページの情報をクライアントに送信する機能
・ホームページからファイルをアップロード、ダウンロードする機能
・メールの送受信をする機能
・データベース処理をする機能
・サーバーから直接ファイルのダウンロード、アップロードする機能
・サーバーとの情報送受信を暗号化する機能
メールの送受信しか出来ない「メールサーバー」、ファイルの送受信が出来る「ファイルサーバー」などの特定機能しか持たないサーバーから、複数の機能を持っているサーバーまで様々なものが存在します。
サーバーの種類
Webサーバー
Webサーバーはホームページを表示するために使用される。
Webサーバーにはホームページのファイル(HTML・CSS・JAVASCRIPT・PHP・画像ファイル等)が格納されています。
Webサーバーは、格納されたホームページのファイルをクライアントに要求された時(ホームページをクリックした時など)に送信することで、クライアントはホームページを閲覧することが可能となります。
メールサーバー
メールサーバーはメールを送受信するために使用されます。
送信サーバーはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバー、受信サーバーはPOP(Post Office Protocol)サーバーと言い、機能が分かれいますが、これらを総称してメールサーバーと呼んでいます。
メールサーバーへアクセスすることで、メールソフトを使用してメールの送受信が可能となります。
データベースサーバー
DB:データベース(database management system)とは、コンピュータ上で情報を検索・蓄積するための情報の集合体であり、そのデータベースを管理できるデータベース管理システムを持っているのがデータベースサーバーです。
例えば、通販ホームページのデータベースサーバーでは膨大な商品情報や個人情報を保有しており、通販ホームページで商品検索すると商品情報をデータベースサーバーにアクセスし検索・抽出することで表示させています。
DNSサーバー
DNS(Domain Name System)サーバーとはドメイン名(◯◯.com,△△.jp等)からIPアドレスを検索することが出来るシステムを指します。
IPアドレス(数字の羅列)とは、インターネット上での住所です。ホームページを閲覧するためにはIPアドレスを知る必要があります。現実に家やお店に辿り着くには住所が必要です。それと同様のことがインターネット上でも言えるわけです。
ですが、普段IPアドレスを目にすることはありません。なぜなら、インターネットではIPアドレスではなく、その代わりとなるドメイン名を使用しているからです。
このドメイン名を使用してホームページを閲覧出来るのは、DNSサーバーがドメイン名からIPアドレスを検索し、道案内してくれるからなのです。
FTPサーバー
FTP(File Transfer Protocol)サーバーは、クライアントとサーバーの間でファイル(データ)の送受信を行うことができるサーバーです。
クライアント側でFTPサーバーからファイルのダウンロード、サーバー側へアップロードが可能です。
ファイルの送受信を行えるため、Webサーバーと組み合わせてHTML等のファイルをアップロードすることに利用したりなど、使用用途は多岐に渡ります。
SSHサーバー
SSH(Secure Shell)サーバーは、情報の送受信を暗号化するサーバーです。
今まではサーバーへのアクセスに暗号化という概念はなく、情報漏洩がありました。このため、サーバーとの情報の送受信については暗号化することで、情報漏洩を防ごうというのが現在の潮流です。
アプリケーションサーバー
アプリケーション(Application)サーバーとは、アプリケーションを実行するためのサーバーです。
アプリケーションとは、プログラミング言語によって作成されたプログラムを指します。
アプリケーションサーバーは通常、Webサーバーとデータベースサーバーとセットの3構造で使用します(アプリケーションサーバーとWebサーバーのみの場合もある)。これは、クライアントに使用してもらうためには、ホームページと同様に閲覧してもらう必要があるためです。データベースはアプリケーションの仕様上必要な場合が多いため使います。
アプリケーションとは、通販ホームページやゲーム等のアプリなど種類は多岐に渡ります。
レンタルサーバー
レンタルサーバーとは、サーバーを運営している会社から借りるサーバーを指します。サーバーはその用途上24時間稼働しており、これを運営・保守することは大変労力と人手を要します。そのため、サーバーを運営している会社から借りることでサーバーを使用するのです。
レンタルサーバーは特定機能ではなく、Webサーバー・FTPサーバー・メールサーバー・アプリケーションサーバー・データベースサーバー・SSHサーバーなど多岐の機能が備わっているものから、サーバーのセットアップを1から行うものまで様々です。
一般的には、一つのサーバーを全て借りるのではなく一部分のみ借りるため安価です。サーバーの性能・レンタル料金などは会社や提供するサービス内容によって違います。
レンタルサーバーの種類
共用サーバー | VPS | 専用サーバー | クラウドサーバー | |
メリット | ◯専門知識不要 ◯安価 | ◯カスタマイズ可能 ◯安価 | ◯カスタマイズ可能 | ◯カスタマイズ可能 ◯料金が変動制 |
デメリット | ◯他のユーザーからの影響がある | ◯専門的な知識が必須 | ◯専門的な知識が必須 ◯高価 | ◯専門的な知識が必須 ◯料金が変動制のため予想外の請求がくる可能性がある |
料金 | 安価 | 安価 | 高価 | 変動制 |
共用サーバー
共用サーバーは一つのWebサーバーを複数のユーザーで共用して使用するサーバーです。
メリット
最も多く使用されるタイプのサーバーであるため、レンタルサーバーを提供する会社が非常に多く、競争しているためレンタル料金も安価です。
デメリット
共用サーバーのため、他ユーザーのホームページで大量にアクセスがあった場合は、自分のホームページも影響を受けてアクセスしにくくなる等の問題が発生する場合があります。
VPS
VPS(バーチャル プライベート サーバー)とは、1つのサーバーの中に仮想(バーチャル)サーバーを複数設置し、各ユーザーがあたかも専用サーバーの様に自由に扱えるサーバーを指します。
メリット
仮想的ではありますが、専用サーバーと同様に扱えます。つまり、サーバーのOSからソフトウェアまで自由に選び、カスタマイズすることが可能です。
さらに、共用サーバーと違い他ユーザーの影響を受けにくく、レンタル料金も安価です。
デメリット
OSやその他のソフトウェアのインストール・設定など全てユーザー側で実施する必要があり、専門的な知識が必須なため初心者には向きません。
専用サーバー
専用サーバーは1つのサーバーを全てユーザーが使用できます。
メリット
レンタルしているサーバーの性能をフルに使用することが可能です。さらに、VPSと同様にサーバーのOSからソフトウェアまで自由に選び、カスタマイズすることが可能です。当然、他ユーザーからの影響は皆無です。
デメリット
高性能であるためレンタル料金が高価です。
VPSと同様にOSやその他のソフトウェアのインストール・設定など全てユーザー側で実施する必要があり、専門的な知識が必須なため初心者には向きません。
クラウドサーバー
クラウドサーバーとはクラウド環境(サーバー上で作り出した仮想的な環境)のサーバーを指します。大規模ホームページ(ECホームページ、メディアホームページ等)によく使用されます。
メリット
課金する料金によってサーバーの性能を変更することが可能です。
さらに、アクセス数に対応して料金が決まる従量制など余分な費用が掛かりません。
デメリット
VPSや専用サーバーと同様に専門的な知識が必要であり、初心者向きではありません。
従量課金制であるため予想外の料金が請求される可能性があります。
SEOへのサーバー性能の影響
サーバーの性能の中でも処理速度はSEO(検索順位の最適化)に影響力があります。
それは、検索エンジンがホームページの表示速度を評価対象にしているからです。
サーバーを保有している会社や、それを利用しているWeb制作会社はサーバーの機能・性能を把握し、運営しています。特にWeb制作会社はお客さまのホームページの保守・管理を任されることが多く、そのホームページを検索上位にするためにも注意を払っています。
サーバーの保守
Web制作会社は自社サーバーの保有又はレンタルサーバーを契約しています。
自社サーバーを保有している企業は基本的に24時間体制で監視しています。サーバーという性質上トラブルが発生した場合は即座に対処しなければなりません。サーバーの保守には専門的な知識と専用の人員が必須です。このため、多くのWeb制作会社はレンタルサーバーを契約しています。
自社保有サーバーを持っているからといって優れたサーバーかは分かりません。経費を抑えるために低性能な場合もあります。もし、ホームページの保守・管理をWeb制作会社に依頼しているのであれば、Web制作会社にどういったサーバーで運営しているのか聞いてみることをオススメいたします。
おわりに
ホームページを運営するうえで必須のサーバーについて紹介いたしました。
サーバーはとても重要なものです。機能や性能はもちろんのこと、トラブル時の対応も考えなければなりません。サーバートラブルとはソフトウェアのエラーやウイルス感染等だけでなく、サーバーが設置されている建物の火災や侵入者など多岐に渡ります。
いくらバックアップを持っていてもサーバートラブルでホームページへのアクセスが途絶える可能性だってあります。
ぜひ、ホームページをお持ちの方はサーバーの保守状況について契約会社に聞いてみることをオススメいたします。